金山杉タウンファニチャー
トライアングルベンチ/テーブル Aシリーズ
株式会社カネモク/〒999-5402 最上郡金山町金山380 |
- デザイン担当
降旗英史・早坂功・斉藤学:東北芸術工科大学デザイン工学部生産デザイン学科
- 製品サイズ
ベンチ:縦470mm×横1500mm/1800mm×高さ406mm
テーブル:縦900mm×横1500mm/1800mm×高さ680mm
- 価格
ベンチ 238,000円
テーブル 462,000円
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■デザインの意図
大手メーカーの製品が席巻する市場に、地方の一小メーカーが新規参入を図るには、はっきりした特徴と高いデザイン性を有し、耐久性に優れた高品質の製品を開発する必要があり、以下の点に留意した。
都市空間に調和する造形:軽く比較的安価である杉のメリットを表すためにボリュームを生かして、木の質感を豊かに表すためにボリューム感のある木の使い方をした。しかもそれが丸太のような素朴な印象にならないよう、モダンな都市空間に調和するよう、柔らかいシャープさをテーマに丸みを帯びた三角の造形を与えた。
簡潔な構造:ボリュームのある木部はそれ自体が構造材の役を果たすため、貫が不要となり座や甲板に直接脚を取り付ける簡単な構造になった。また据え付け方法を置き型にしたことで、屋内では置くだけでもよく、屋外でも大規模な基礎工事なしに据え付け可能にした。
耐朽性への配慮:屋外使用に向く材料とは言い難い杉を使うためには、それなりの工夫があった。環境汚染の原因にならないAAC防腐処理を施すとともに、構造、形態の面からも可能な限りの防湿対策を施した。その上で、木や塗装の劣化はいずれ避けられないものである以上、これを味わい深い経年変化と肯定的に据えるべきと考え、千割れや傷をおおらかに吸収するたっぷりした木の使い方と、木が風化して灰褐色になるのに馴染みやすいグレーとナチュラルの塗装仕上げとした。(経年変化により馴染みやすい塗装法として、防腐剤と同時の含浸着色について検討中である。)
子供への安全性:金属の脚は、子供たちへの安全性を考慮して、エッジをR処理したアルミとした。より安全性を要求される場合の対応として、脚を甲板の内側に追い込んだデザインのテーブルも用意した。
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