株式会社クラフト ロードスシリーズ(公共トイレ)
デザインの意図
 公共トイレは景観施設の中でも必要性や、景観、環境に与える影響が大きい。しかもその重要性は見過ごされがちで、比較的軽便に扱われてきた。人の集まるいろいろな場所で、景観にとけこみ、人に不快感を与えることのないデザインを心がけた。安易な装飾を施さず自然素材を用いた落ちついた外観と、機能性、メンテナンス性に配慮した内装が特徴である。

造形、色彩上のポイント
 公共トイレを設置する場所は様々である。どのような景観にも100%マッチする形を求めることは非常に難しいが、周囲にどのような色が設定されていても不快感を与えないよう留意した。ユニットの連続による規模の拡大が可能であり、その接続部は付柱で隠してデザイン上のポイントとしている。屋根の形はトップライト付の陸屋根を標準とし、多雪地には切妻型を設定した。

技術上のポイント
 内外装及び電気給排水設備一式を含めた高度プレハブ化を計った。現場では基礎上に本体を設置し、一次側の設備と接続するだけですぐ使用できる。現場作業は規模により1〜2日で済む。また公共トイレの宿命とも言える破損、詰まり等に対し、基礎ピットを利用したメンテナンスが安価、短時間で行える。またユニット接続によりバリエーションが豊富になる。

使用者等への配慮(安全性、利便性、快適性等)
 快適性確保のため、いわゆる5K(暗い、くさい、汚い、こわい、こわれている)追放に重点をおいた。大型トップライトの採用、汚れや衝撃に強い素材、水洗設備の一体化、破損時交換の簡便性、また多目的に使えるバリアフリーブースにも配慮した。特に公共トイレでは、維持管理のしやすさが重要であるため、点検口を設け、日常的に設備の点検が行えるようにした。
社会への配慮(地球環境等への配慮)
 人口の増加と交通網の整備により、汚物による汚染が無秩序に拡大している。水や下水道のない場所でも衛生的に汚物処理ができるよう、処理設備を組みこみ、太陽エネルギーや風力、雨水を利用して稼働させることも可能である。